文学部はどんな人に向いている？就職に不利って本当？文学部卒が回答

「文学部って実際どうなの？」「就職がむずかしいって本当？」と、文学部への進学を迷われている方もいるのではないでしょうか。

私は文学部を卒業した社会人ですが、文学部に入ってよかったと思っています。この記事では、実体験を踏まえて文学部での学びや就職についてお話しします。

大学の文学部とは？なにを学ぶ？

文学部は、人文学系の学問を学ぶ学部です。

人文学とは何か、ひとことで言えば「人間学」です。英語ではズバリ”the humanities”、つまり「人間性についての学問」となります。文学、言語学、哲学、宗教学、歴史学、美学などさまざまな分野に分かれていますが、その根本には「人間とは何か」、「人間性とはどういうものか」という共通の問いかけがあります。

引用：恵泉女学園大学

文学部が向いてる人って？

個人的に、文学部には向き不向きがかなりあると思っています。

実際、「こんな学部いやだ」と4年間ずっと言っている友人もいました。向いていなかったんでしょうね……。

私が思う向いている人と向いていない人を上げてみます。参考になれば幸いです。

文学部が向いている人

「そもそも◯◯とは」と考えるタイプ

さまざまなものごとの定義から考えたり、本質を捉えようとするタイプ。文学部にかなり向いています！

読書に抵抗がない

文献をたくさん読まないといけないので、読書が好きな人は向いています。

作文に抵抗がない

レポートが多いので（大学によるかもしれませんが）、文章をそれはそれはたくさん書くことになります。

カルチャー好き

サブカル好きとか文化系でやりたいこともとくに思いつかないなという人、とりあえず文学部に入ればいいと思います。

学校が嫌いだった

学校が嫌いな人、文学に向いてると思います！

学校は生産性のない無意味なルールを思考停止で押し付けてくることが多いので、私も嫌いでした。文学部は楽しかったです。

参考：学校と文学についておもしろいことが書かれている本

文学部に向いていない人

ビジネスなどの実学に興味がある

ビジネスに興味がある方は経営学部などに行きましょう。

私が好きな文学部の教授の名言を紹介します。

「経営なんて学んでもしょうがないですからね。ラテン語を学べばね、なんと……”詩”が読めるんですよ」

これを聞いて「は？？」と思った方は文学部に向いていないです。「かっこよ……！」と思った方、文学部に入りましょう。

読書が苦手

読書が苦手で文学部に入った人は、つらそうでした。

効率性や合理性を重視する

なにもかもを「将来役に立つか？」という観点で考える人は、文学に向いていなさそうです。

文学部は世捨て人ばかり？就職が不利って本当？

「文学部は世捨て人ばかり」、「文学部は就職が不利」という噂を聞いたことはあるでしょうか。

大学によってもカラーは異なると思うのですが、私は半分正解で半分嘘だと思います。

文学部は世捨て人ばかり　→たしかに多い

世捨て人みたいな人は本当に結構います。

本当にもっと学びたいから意図的に留年する人。卒論を出さない人。就活しない人。

ふつうにたくさんいました（※私がいたW大学では）。

文学自体が、既存の価値観に疑問を呈すような作用があるので、文学を好む人はどこか世の中のふつうから離れている人が多いです。

それが悪いことだとは思いません。話してみると面白い人が多いですよ。

文学部は就職が不利　→結局は自分次第

文学部は就職に不利という噂は、最大の懸念点になるのではないでしょうか。

私も「文学部に入学したら就職ハードモードになるんだろうな」と覚悟して文学部に入学しました。
しかし実際に就活してみると、べつに学部は関係なかったように思えます。

何学部を出ようが、何大学を出ようが、結局は自分次第です。

文学部の就職率の低さも、「就職できないのではなく、しないだけの人」が下げていると思われます。

そして文学部は権威に歯向かう人も多く、「就職したのに就職したことを大学に報告していない」こともあります。

慶應義塾大学文学部卒の予備校講師・関正生先生もたしかそんなことを言っていたような。

おまけ：「文学なんて役に立たないからやめなさい」と言われたら

文学部に行きたいと言ったら保護者に反対された人もいるのではないでしょうか。

人文学は「意味がない」「役に立たない」と言われがちです。

そう言うときの「意味」って、どういう意味なんでしょうね。

その人の言う「意味がある」「役に立つ」とは、たぶん「お金を稼ぐ手段になる」ことを表しているのではないでしょうか。

お金を稼げる＝食っていけるようになる。生存できる。

でも、生存のために有利なことだけをしていたら、なんのために生存しているのかという話になりませんか？

……。

「すまない保護者。でも私は、人間であることに誇りを持っている。人間らしく生きたいのだ……！」と言って、文学部に願書を出してみてください。

☆このテーマに関心がある方は、以下の本がとってもおすすめです！　ぜひ読んでみてね。