『純ジャパの僕が10カ国語を話せた世界一シンプルな外国語勉強法』レビュー

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『純ジャパの僕が10カ国語を話せた世界一シンプルな外国語勉強法』レビュー

 

こんにちは、語学好きの栞です。

この記事では、独学で10カ国語を習得した(!)マルチリンガルの方が出された本のレビューを書いていきます。

今回読んだ本
秋山燿平.純ジャパの僕が10カ国語を話せた世界一シンプルな外国語勉強法.ダイヤモンド社,2018
※電子書籍版を読みました

提唱されている勉強法がタイトル通り本当にシンプルで、驚きました。

興味がある方はぜひこの記事を読んでみてください。

『世界一シンプルな外国語勉強法』要約

タイトルで謳う通り、その勉強法はかなりシンプルで、ルールはたった一つです。

それはずばり、

必ず使う単語・表現だけ覚えて、使う」(p9)

ということです!

こちらの本ではインプットとアウトプットとで分けて説明されているので、こちらの記事でも同じように要約していきます。

インプットについて

使うものから覚える

「その言語で会話できる」というゴールに効率的にたどり着くためには、著者は「必要最低限の単語と文法をまず覚える」ことが必要だと説明しています。

市販の単語帳には、野菜の名前や同じような意味の言葉(たとえばbigとlargeとか)など、使わない単語がたくさん並んでいます。

そんなものを覚えていると非効率的なので、まずは絶対使う単語だけを覚えよう!という提案です。

文法に関しても同様で、必要最低限だけをまずは覚えるようにします。

そう言われても、「その必要最低限の単語って、たとえばどんな単語?」と思われるでしょう。

安心してください、著者は200単語・30表現をピックアップしてくれています! 本の中には書き込める表もあります。

この必要最低限の単語・表現を徹底的に覚え、体に染み込ませることが必要であると言います。

自然と口をついて出るようになるまで、ひたすらそれだけを使い倒すイメージです!

単語帳は自分でカスタマイズする

また、本書でピックアップされている必要最低限のものに加え、自己紹介のときに言いたいことや、紹介したい日本の文化など、自分が」絶対に使う単語・表現も補って覚えていくことがすすめられています。

シンプルで覚えやすい・かつ自分が使いそうな例文を自作し、その例文で単語や表現を覚えていくと良いと説明されています。

例文をどうやって作るかも詳しく説明されているのでご安心ください。

また、多少の間違いは気にせず伝わることを第一に考えて例文を作ろうと書かれています。

外国人と話したこともない段階で、「この文章が文法的に正しいか」を机の前でずっと考えている時間ほど無駄なものはありません。(p60, 61)

たしかに…!と思わされます。

アウトプットについて

続いてはアウトプットについての要約です。

言語交換アプリで必要最低限の単語と文法を使い倒す

言語交換アプリでネイティブとコミュニケーションを取ってみることが推奨されています。

下記のようにステップを踏んでいくと良いそうです。

文章でのやり取り→音声メッセージでのやり取り→通話

このときも、必要最低限の単語・表現を使い倒して意思疎通を図ります。

「でも、必要最低限の知識しかなかったら、相手から来るメッセージの意味は全然わからないんじゃない?」

と私も最初は思ったのですが、そこは「相手からのメッセージがわからないときは、Google翻訳を使って理解する」とされていました。

新たな語彙をネイティブから盗む

慣れてきたらネイティブがよく使っている単語や表現を覚えて語彙を増やすことが提案されています。

ただここでも、「絶対に覚えておくべきだと思ったものだけを厳選して、追加するかどうか迷った場合は追加するな」とされています。

おまけ

全く触れたことがないような言語を覚えようとする場合は、事前に知っておいたほうがよい情報や学習のポイントがあるため、それをおさえることがおすすめされています。

中国語、フランス語、スペイン語、韓国語など、日本で第二外国語として学ばれることが多い言語については、それぞれ学習のポイントが記載されています。親切!

『世界一シンプルな外国語勉強法』感想

ここからは外国語好きな私が抱いた感想を綴っていきます!

再現性が高い

私は語学のノウハウ本に関しては、「再現性があるかどうか?」という観点から読むことが重要だと思います。

「ステップ①会社を辞めて留学しよう!」なんて不可能なことを言われたら、その時点でほぼ読む意味がなくなってしまうので…。

その点、この本で提唱されている勉強法は、かなり再現性が高いと思います。

理由としては以下の通りです。

・外国語を使わない両親のもとで育った
海外在住経験なし
・語学学校などに通ったわけではなく、独学で身につけた
・10カ国語もの言語を同じ方法で習得している
・勉強法がシンプルでわかりやすく、ハードルも低い

無理やりケチをつけるとしたら、著者の方の地頭が良い(東京大学に通われていたほど)という点は、再現性を下げる要因になるかもしれません。

秋山さんは平均約3ヶ月で外国語が話せるようになったということでしたが、我々凡人はもう少し時間がかかってしまいそうです。短期間で身につけられるというのは信じすぎないほうが良いかも。

シンプルな勉強法でしゃべれるようになるという希望の光が見えただけでも嬉しいので、私個人的には全然気になりませんが!笑

ネイティブと話すことが案外重要そう

どちらかというとインプット方法が画期的なタイプの勉強法ではあると思うのですが、私は案外アウトプットが鍵なのかなと思いました。

「本書の学習法の最大の特長は『挫折しにくい』ことです(p9 )」と本の中でも説明されていて、それがなぜかというと「覚えたことを必ず使える→伝わる→楽しい!→もっと勉強したくなる」というサイクルを回していくからとされています。

ですので、

「必ず使う単語と表現から覚えるのはわかった。でも、ネイティブと実際に話すのは、もっと上手くなってからにしよう…

という風に考えてしまうと、最大の特長の「挫折しにくさ」が得られないので、かなり損です。

アウトプットの方法もナメずに本の言う通りにしたいところです。

つまずきそうなポイント

最後に、「この学習法を実際にやってみる際に、もしかしたらこんな点でつまずいてしまうかも?」と感じたところと、その対処法について少し考えてみたいと思います。

マイナー言語を学ぶ場合

この本で触れられていない言語を話せるようになりたいと思った場合、「勉強する前に知っておいたほうがいい情報や学習のポイント」を自分で見つけることに苦労するかもしれません。

調べているうちに文法書を読むことになり、結局従来の受験英語のようなやり方になってしまう可能性も…。

対策としては、その言語のやさしい概説書をまず読んでみるといいのかなと思います。

私は白水社の「言葉のしくみシリーズ」をおすすめします!

むずかしい文法用語をほとんど使わず、その言語を学ぶ上での最低限の知識をエッセイのように楽しく説明してくれているからです。

そもそも勉強に苦手意識がある場合

元も子もないような話で恐縮なのですが…。

この本を読んで強く感じたのですが、著者の方はきっと独学自体がかなり得意なんだと思います。

・自分の目的やレベルにあわせて学ぶ内容を自分でカスタマイズできる
・モチベーション管理ができる
・モチベーションの維持と勉強の完成度を天秤にかけ、適切な選択ができる

この本の随所で、著者は上記のような力が高い方なんだなと思わされました。

これって結構むずかしいことだと思うので、この辺りで苦戦することがあるかもしれません。

つまずいた場合は独学法を調べてみたり、勉強が得意な友人を捕まえてアドバイスをもらったりすると、よりスムースに学習が進められるかもしれませんね。

『純ジャパの僕が10カ国語を話せた世界一シンプルな外国語勉強法』を読んで

以上、良書に出会えた喜びから、つい長々と書いてしまいました!

最後まで読んでくださりありがとうございます。

この本の勉強法を取り入れながら新しい言語にチャレンジしてみたいと考えているので、また記事にするかもしれません。

 

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